2025年 2月号
人は我慢する事、嫌な事、精神的な疲労、ストレスが続くと気持ちが伸びやかになれずに、「ため息、イライラ、怒りっぽくなる、やる気が出ない、睡眠が悪くなる、情緒不安定」などの症状が現れてきます。この状態を中医学(漢方)では肝鬱(かんうつ)といいます。肝鬱の状態は大きく分けて3パターンあります。
1つは「肝気鬱結」(かんきうっけつ)で、ため息、やる気がでない、イライラする症状が主に現われます。これは、気持ちが伸びやかにならず鬱々となる為に起こる症状です。こういう時には気を晴らしてリラックス効果のある漢方薬「逍遙顆粒」を用います。
この肝気鬱結の症状に加えて、怒りっぽくなる、頭痛やのぼせが加わってくると「肝鬱化火」(かんうつかか)といって、内熱(体温の熱とは別)が頭部(精神状態)を狂わせてしまいます。この時に用いるのが「加味逍遙散」です。
更に熱を帯びてくると「肝火上炎」(かんかじょうえん)という状態になり、怒りが収まらない、激しい頭痛、耳鳴り、充血、口が渇く、口が苦い、便秘、寝つきが悪いなどの症状が2つ以上あると肝火上炎の状態で、「瀉火利湿顆粒」で頭部を犯す熱を鎮める事で気持ちが落ち着いてきます。
肝鬱で、胃の痛み、のどのつまり、胸や脇の張り、緊張で便意などを伴う事もあります。また、女性の生理前は肝気が高ぶる時期なので、肝気鬱結の症状が現れやすくなります。
肝鬱は、様々な原因により気の巡りが塞がった状態です。気を巡らせ詰まりをとる漢方薬を上手に使い、気持ちを晴れやかにしていきましょう。
わたなべ薬房
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