2023年 4月
耳が詰まった感じがする、塞がった感じがすると言われる方がいます。これにはいくつかの原因があります。耳垢など異物が溜まるなど物理的な原因や風邪の後の炎症による腫れ、鼻炎症状や中耳炎を起こしているなど、原因が分かりやすい場合と、分かりづらい場合があります。原因がわかりづらい耳の詰まりは、ストレスなど自律神経の乱れや疲労や睡眠不足などの過労により耳の奥の「内耳」(ないじ)に問題が起きたり、耳と鼻をつなぐ「耳管」(じかん)という管に問題が生じた時に起こります。耳管は、普段は開いたり閉じたりして耳内と外の圧を調整しているのですが、この調整がうまくいかなくなると、詰まった症状が起こります。
その中の一つ「耳管開放症」は、耳管が開きっ放しになる事で、耳の詰まりの他に自分の声が反響するという特徴があります。耳鳴りを伴う場合もあります。
もう一つは、「低音障害型感音難聴」といい、内耳の蝸牛という音を脳に伝える器官内のリンパ液の圧の異常により起こります。低音が聞こえづらい、耳鳴りや水が入った感じになるのが特徴です。
これにめまいが加わると「メニエール病」が関係してきます。低音障害型感音難聴とメニエール病は症状が似ていますが、低音障害型感音難聴は蝸牛だけの問題で、三半規管には問題がないので、めまいを伴わないのが特徴です。
物理的な原因でないときの中医学的(漢方)対応は、それぞれの原因によって異なりますが、理気活血という方法で、耳管や蝸牛の働きを調整して耳の詰まりを解消する事ができます。
わたなべ薬房
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